日本農業の発展と農業経営の安定、農村・地域振興、安心・安全な食料の安定供給の視点にこだわった報道を追求します。

安倍首相が臨時国会で所信表明演説

2019年10月4日

農産物の輸出成果を強調、生産基盤強化等の対策も

 臨時国会が召集された4日、安倍首相は所信表明演説を行い、「農産物輸出」「災害に強い故郷づくり」「自由貿易」の中で農業・農政問題について要旨以下のように述べた。

 ①農産物輸出…ベトナムやシンガポールでは、最近、日本の粉ミルクが人気だ。世界に目を向けることで、安全で安心な日本の農産物に、もっと大きな可能性が広がる。TPP、EUとの経済連携協定によって、牛乳や乳製品の輸出は2割以上増加した。ヨーロッパへの牛肉輸出は3割上昇している。あらゆる農産品に、世界に羽ばたくチャンスが訪れている。全国津々浦々、それぞれの地方が誇る農林水産物の輸出を更に加速する。農産品輸出拡大法を制定し、各国の輸入規制緩和に向けた働きかけをオールジャパンで進める。

 ②災害に強い故郷づくり…昨年度、福島の農産品輸出は、震災前から4割近く増加し、過去最高となった。外交努力により規制が撤廃されたマレーシアやタイへの桃の輸出が好調だ。これまでに32の国と地域で規制の完全撤廃が実現した。引き続き、風評被害の払拭に全力で取り組み、東北の復興を加速していく。各省庁の縦割りを排して、徹底した現場主義を貫き、政治の責任とリーダーシップの下、福島の再生、東北の復興に取り組んでいく。これは復興・創生期間後も変わることはない。そのための司令塔となる復興庁の後継組織を設け、復興に全力を尽くす。

 台風15号による大規模停電では、多くの方々の生活に甚大な影響が出た。今回の対応を徹底的に検証する。災害時における復旧の加速化、電力インフラ維持の方策について検討し、速やかに対策を講じる。復旧・復興を全力で支えるとともに、3年間集中の防災・減災、国土強靱化の緊急対策を着実に実行することで、災害に強い故郷づくりを進めていく。各地で発生が続く豚コレラについて、ワクチン接種をはじめ、あらゆる対策を総動員して、一刻も早い終息に努める。

 ③自由貿易…日米の貿易協定が合意に至った。昨年9月の日米共同声明に沿って、日米双方にウィン・ウィンとなる結論を得ることができた。それでもなお残る農家の皆さんの不安にもしっかり向き合い、引き続き、生産基盤の強化など十分な対策を講じる。

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