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農林中金福島支店がJA福島さくらのタマネギ生産拡大へ支援

2019年9月3日

 農林中央金庫福島支店( 望月大輔支店長) は2 日、JA 福島さくらが管内の「ふたば地区」で取り組むタマネギ生産拡大にかかる資機材購入費に対して助成した。

 この支援は、農林中金の復興支援プログラム「営農再開支援」によるもの。福島県の「ふたば地区」は、福島第一原発事故により8町村全てが避難指示の対象となった地域。避難指示は順次解除されてきたが、一部町村では住民帰還や農業復興は大幅に遅れており、風評被害も未だ根強く残る。特に、富岡町と浪江町は、避難指示解除が2017年3~4月と他被災地と比べて遅く、営農再開の目途がやっと見えてきた段階。

 同JAでは、2017年に「ふたば地区園芸生産組合」を設立し、県・全農が復興品目として推奨する業務用タマネギの栽培を開始。2018年度から富岡町を第一復興拠点、2019年度からは浪江町を第二復興拠点とし生産拡大を図っている。

 浪江町の施設においては、県の補助事業を最大限活用し集出荷機材一式( 共同施設)を準備できたものの、一方で、被災生産者に個人負担が生じる資機材については、同JA に支援を求める声があがっていた。

 こうした状況を踏まえ、農林中金では、同地区の被災生産者が共同使用できる「スチールコンテナ」「専用育苗箱」の取得費用に対して助成を実施した。

 管野啓二組合長は「ふたば地区の営農再開はこれからが本格化。今般の支援は、帰還生産者にとって大変励みになる」と、感謝の言葉を述べた。同JAでは「ふたば地区」の基幹農業であったコメ栽培にも、積極的に取り組んでいく方針。

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