日本大学は二五日、農業や食、地域、JAに関する大学生の研究発表大会「アグリカルチャーコンペティション」(略称=アグコン)を東京・日本大学商学部で開催した。二〇一七年から開始され、二回目となる今大会には九大学から二七チーム、約一三〇名の学生が参加した。JA全中が後援、JA東京中央とJA東京あおばが協力した。大会では各チームが農業やJAについて調査・研究を行った成果などをプレゼンし、全中広報部の福園昭宏部長、JA支援部の元広雅樹次長、全青協の水野喜徳会長、農中総研の小針美和主任研究員らが、先行研究・調査・独創性・プレゼンテーション・質疑応答の観点から審査した。
最優秀賞を受賞したのは、日大商学部秋川卓也ゼミナール「Team Sath―tena」〔写真〕で、研究テーマは「水産資源における持続可能な消費社会の形成~ゲームで守ろう 海の資源」。同チームはプレゼンで、MSCエコラベル(海洋管理協議会の環境規格に適合した漁業で獲られた水産物に認められる証)の重要性を学べるカードゲームを自分たちで作成し、企業・団体等と連携して減少傾向にある水産資源を回復させることの大切さを伝える取り組みを紹介した。
また、優秀賞に、▼日大商学部川野克典ゼミKAWANO野菜生活「都市農業の振興」、審査員特別賞に以下の五点が選賞された。
▼東京農業大国際食料情報学部フードビジネス研究室菊地班「日本酒の輸出拡大に寄与する企業行動の考察―優良企業のケーススタディをもとに」、▼日大経済学部新海宏美ゼミ新海ゼミ二班「食品ロスを減らそう~アプリで地球を救う」、▼同大商学部川野克典ゼミAチーム「JA東京中央の中期経営計画に対する提案―若者への新しいアプローチ」、▼同大生物資源科学部川手督也ゼミチーム南部かしわ「幻の地鶏南部かしわの特性を生かしたマーケティング戦略とレシピの開発」、▼和歌山大地域活性化センター岸上・大坪ゼミAgrico「援農ボランティアによる農村交流と魅力発信」
大会では水野全青協会長が「農業者の使命とJA青年部の取り組み」と題して講演。自身の荒廃した農地を再生させる取り組みや、JA青年部が食農教育や消費者へのPR活動、政策提言などに取り組んでいることを紹介した。
主催者である日大商学部の川野教授は「食や農、JAについて学生に知ってほしいと思い開催している。今回は昨年に比べて大きな大会になったが、もっと大きなものにしたい。もっと多くの学生に、食や農に興味を持ってほしい」と語った。審査委員長の同大生物資源科学部の川手教授は「昨年に増して良い報告が多かった。参加者が増えたことでバラエティに富み、学会報告できるような本格的な分析や、意欲的な研究、アクションリサーチもあり、水準が高かった」と講評した。