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〈行友弥の食農再論〉給食の「ありよう」を考える

2026年9月25日

 以前、当欄で学校給食について論じたことがある。物価高を背景に各地で小中学校の給食無償化を求める住民運動が起きていることに触れ「義務教育なのになぜ有償なのか」と疑問を投げかけた。給食を無償で提供する自治体は財政力のある東京都区部などに偏るが、平等であるべき義務教育の場に格差があるのはおかしいし、東京一極集中に拍車がかかる懸念もある。

 政府も無償化を検討し、昨年12月に自民・公明・日本維新の会の3党が「いわゆる給食無償化」(学校給食費の抜本的な負担軽減)で合意。今年4月から実施された。小学校の児童1人あたり月額5200円を国が自治体に交付し、保護者負担を減らす内容だ。

 だが、この施策の評判が悪い。自治体側は5200円を超える分が財政負担になることが不満らしい。超過分は従来通り保護者から徴収することもできるが「無償化」という看板の手前、やりにくいのだろう。

 農業関係者や消費者からは「給食の質が低下する」という批判もある。月5200円では地元の特産品や有機農産物を生かした給食が続けられない、というわけだ。

 九州のブロック紙・西日本新聞は昨年12月30日付の社説で「給食のありようを決めるのは国ではない。学校の設置者である自治体だ。(中略)国政の政党が自治体の頭越しに給食無償化を進めたことは間違っている」と断じた。

 しかし、今回の措置は「給食のありようを国が決める」ことだろうか。「費用を国が交付する月5200円以内に収めよ」とか「国が認めた食材や献立しか出してはいけない」と縛るなら別だが、そうではない。

 地域の特色ある給食を提供することは引き続き可能だ。その超過費用を自治体と保護者がどう分担するかは地元の裁量に委ねられている。住民や保護者らの意向を踏まえ、その「ありよう」を決めることは地方自治の大切なプロセスだ。

 多くの学校で給食費を滞納する困窮家庭への対処に教職員が悩み、校長らの個人口座で給食費を管理している実態もある。むしろ保護者負担を原則としている学校給食法を抜本改正して「公会計化」を進め、その上で国と地方の適切な負担配分を考えるべきだろう。

(農中総研・客員研究員)

日本農民新聞 2026年9月25日号掲載

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