日本農業の発展と農業経営の安定、農村・地域振興、安心・安全な食料の安定供給の視点にこだわった報道を追求します。

日本農民新聞 2026年9月15日号

2026年9月15日

〈本号の主な内容〉

■このひと
 JA共済事業の今後に向けて
 JA共済連
 経営管理委員会 会長
 長谷川浩敏 氏

■第20回森林組合トップセミナー・森林再生基金事業発表会
 農林中金、全森連が開催

■新トップに聞く
 JA三井リース㈱
 代表取締役社長執行役員
 松本恭幸 氏

(第2部 米の生産・集荷・検査・保管・流通)
〈特集:実りの秋を迎えて〉

■令和8年産米の検査・保管に当たって
 JA全農 米穀部 藤井暁 部長

■JA全農 人手不足時代を見据えた〝仕事の変革〟
 全国へ広がる WEB出荷契約・検査システム

■令和6年産米に対する農産物検査への期待
 全米販 西村裕二 理事業務部長

■令和8年度 米のカントリーエレベーター品質事故・火災防止強化月間(8月1日~10月31日)


このひと

 

 

JA共済事業の今後に向けて

 

 

JA共済連
経営管理委員会 会長
長谷川浩敏 氏

 

 JA共済連は7月31日の通常総代会・経営管理委員会で、新たな経営管理委員会会長に長谷川浩敏愛知県本部運営委員会会長(JA尾張中央組合長、JA愛知中央会会長)を選任した。長谷川新会長にJA共済事業への思いと事業に臨む姿勢を聞いた。

被災地入りし 復旧・復興への思い一層強く

■熊本地震をはじめとする自然災害への対応について。

 まず、このたびの令和8年熊本地震ならびに各地で相次いで発生した豪雨災害により被災された皆さまに、心よりお見舞い申しあげます。

 熊本地震の被災地には私も8月7日に訪問いたしました。今回はJAグループ熊本の施設被災状況の視察が中心だったのですが、集出荷施設やカントリーエレベーターなどの被害の大きさを目の当たりにし、農産物の収穫が多くなるこれからの時期、我々としてもいち早い復旧・復興に向けて支援していかなければと身が引き締まる思いを抱いた次第です。

 自然災害の頻発化・激甚化は、近年ますます深刻な課題となっています。こうした状況だからこそ、JA共済には、被災された方々に一日も早く安心をお届けする役割が強く求められると再認識しています。

 JA共済では、災害発生時の迅速な被害把握と共済金のお支払いを通じた生活再建支援に取り組むとともに、平時から、防災・減災活動や防災意識の向上に取り組み、地域の防災力向上に努めています。

 迅速な共済金のお支払いを通じて被災された方々の暮らしを支えるとともに、地域社会を支える一員として、災害に強い地域づくりにも貢献してまいります。

あらゆる場面で〝安心〟を届けられる組織に

■経営管理委員会会長就任にあたっての抱負は。

 このたびJA共済連の経営管理委員会会長という重責を担うこととなり、身の引き締まる思いです。我々の原点である相互扶助の理念の下、あらゆる場面で〝安心〟を届けられる組織であり続けたいと決意を新たにしています。

 JA共済連は、本年1月に創立75周年を迎えました。これまで事業を支えていただいた組合員・利用者の皆さま、そしてJA・JA共済連の役職員の皆さまをはじめ、多くの関係者のご尽力に深く感謝申しあげます。

 私自身、長年JAの現場に携わるなかで、多くの組合員の皆さまと接し、地域農業や地域社会の発展に取り組んでまいりました。そうした経験を活かしながら、現場の声にしっかり耳を傾け、一つひとつの課題に真摯に向き合ってまいりたいと考えています。

 創立100周年に向けた新たな歩みが始まるなか、JA共済に寄せられる期待と信頼に応えられるよう、JAグループの皆さまや役職員の皆さまと力を合わせながら、事業運営に取り組んでまいります。

「先見」「挑戦」「思いやり」を大事に

■これまでのご経歴を振り返って。

 私が入組した旧春日井市農協(愛知)は都市型農協で、当時は役職員による一斉推進がさかんに行われていましたので、信用・共済事業も含め私自身も実際に推進にあたってきました。共済事業の推進では、組合員・利用者の皆さまに根気強く丁寧にご提案することによって、最終的には保障の大切さやありがたみを実感していただき、後に感謝のお言葉を頂戴することもありました。そうした経験は、共済事業の果たす役割の大きさを実感する機会となり、いまでも強く胸に刻まれています。

 これまでの経験を踏まえて、いま職員の皆さまに伝えたいことは、「先見」「挑戦」「思いやり」を大事にしてほしいということです。「先見」は、共済事業に限らず、内外に視野を広げて将来を見据えながら行動してほしいということ。「挑戦」は、誰よりも早く、現状と課題をしっかり確認し、誰よりも早くその課題の解決に向かってほしいということ。「思いやり」については、どの事業体でもどの企業でも、信頼される職員が大きな財産になりますが、その信頼を得るには人との関わり方が大事であり、とくに思いやりや優しさといった要素は必須であると考えています。

持続可能な事業基盤の構築を

■JA共済の存在意義、共済事業の取組み方向と今後の課題について。

 JA共済は、保障を通じて万一の際の暮らしを支えるとともに、共済事業を通じてJAの総合事業や営農支援、地域貢献活動などに寄与し、地域の農業や暮らしを支える役割を果たしてきました。私が組合長を務めるJA尾張中央においても、JA共済による地域貢献のための資金を農業施設の整備などに活用しています。

 私は、この「組合員・利用者の皆さまの安心を守ること」と「地元に還元し、地域を支えること」の2つの価値こそが、JA共済の存在意義そのものであると考えています。

 一方で、JA共済を取り巻く環境は大きく変化しています。

 人口減少や高齢化の進展、農業従事者の減少、価値観やライフスタイルの多様化に加え、JA職員やLA(共済事業専任ライフアドバイザー)の減少なども進んでいます。こうしたなかで、将来にわたって組合員・利用者の皆さまに安心をお届けし続けるための事業基盤の強化が、重要な課題であると認識しています。

 こうした課題に対応するため、JA共済では今次3か年計画において、組合員・利用者本位の事業運営を基調としながら、「保障・サービス提供等の深化」「事業推進体制等の再構築」「農業・地域社会の持続的発展への貢献」を重点取組事項に掲げています。

 具体的には、JAグループ一体となった接点づくりや関係性強化を進め、一人ひとりのニーズに応じた保障・サービスの提供に取り組むとともに、防災・減災活動や農作業事故防止活動などを通じて、農業や地域社会の持続的な発展にも貢献していきたいと考えています。

 また、AIやデジタル技術を活用した業務効率化や情報活用の高度化、人材育成、事業推進体制の強化も欠かせません。LAが組合員・利用者との対話により一層注力できる環境づくりを進めるとともに、JAとJA共済連が一体となって、持続可能な事業基盤の構築に取り組んでまいります。

 これからもJA共済は、相互扶助を原点に、組合員・利用者の皆さまの豊かなくらしと、活力ある地域社会の実現に貢献してまいります。

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