日本農業の発展と農業経営の安定、農村・地域振興、安心・安全な食料の安定供給の視点にこだわった報道を追求します。

令和3年産乾椎茸春子生産量を1900tと決定=全農

2021年5月28日

 JA全農は、令和3年産乾椎茸春子生産量を前年同の1900tと決定したと発表した。全農と一般財団法人日本きのこセンターが、全国の観測点作況データの収集分析及び生産者からの聴取り調査等を基礎とし、生産量と品柄比率を決定したもの。

 全農では、▼昨年は原基形成時期の9月から10月にかけて降水量は、平年に対し西日本が多く、東日本が少ない傾向で、気温は全国的に順調に推移した。発生は、10月中旬から11月上旬にかけて中温菌から中低温菌の順に発生が始まったが、11月中旬に高温が続いたことで成長が早まり例年より10日程度早い収穫のピークを迎えた。その後、日本海側や山間地で降雪が観測されたが、全国的に降水量不足となり12月の発生量は少ない傾向となった、▼1月に入り、西日本の主産地では気温の上昇とともに芽切りが始まったが、降水量が少なかったため収穫は2月にずれ込んだ。2月に入り気温は高めに推移し降雨も周期的にあったことから昨年より10~15日程度早い2月中旬から下旬にかけて収穫のピークを迎えた。3月に入ってからも同様に、気温が高く降水量も少なく推移したことで多くの産地ではピークらしい時期はなかった。4月は日中と夜間の気温格差が大きく、周期的な降雨もあり産地では追い芽が期待されたが、最高気温が高く推移したことで藤子の収穫は少なかった、▼品柄状況では、シーズン前半は一斉発生したことと降水量が少なかったことで小葉~中葉の比率が高く1箱あたりも重い傾向にあった。後半は、これといったピークがなく断続的に収穫されたものの気温が高く成長も早かったため中肉系の比率が高まった。また、平年より雨が少なく、極端に品質を落とすといった状況は少なかった。なお、ここ数年気象変動が大きいが、早い段階から散水など栽培管理を的確に実施した生産者は、生産量・品質ともに確保することができている、▼今年の作柄の特徴としては産地間及び個人差が大きかった。特に例年4月以降にピークを迎える標高が高い産地や東北地方は厳しい作柄となった。また、2年ほだ木からの発生のバラつきが大きく、3年ほだ木以降の発生は安定していた、と説明している。

keyboard_arrow_left トップへ戻る