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県内5JAの農業融資残高が200億円突破=JAバンク福島

2021年4月30日

 JAバンク福島は28日、県内5JAの2021年2月末決算における農業融資残高が210億81百万円となり、前年同月に比べて12・1%増えたと発表した。残高の増加は4年連続。比較可能な2012年3月以降で最高となり200億円を突破した。農林中央金庫福島支店は「全JAに配置した貸出専任担当者等による出向く活動の強化に加え、支払利息の一部助成等による農業者の負担軽減が奏功している」とみる。

 県内JAでは、2019年度から農業者へのアプローチを強化している。管内の中核的な担い手を約4000件リストアップし、貸出専任担当者等が徹底した訪問活動を実施。農業者の資金ニーズのほか、生産規模拡大や販路拡大など農業経営に関する様々な問題や課題を聞き取る活動も展開。課題解決には営農経済部門と連携して対応し、総合事業の強みを発揮するとともに農業者との信頼関係構築にも取り組んでいる。

 加えて、利子助成制度は2010年から県の農業近代化資金やJAの農業資金を対象に取扱いを開始。同制度の浸透により需要は増加しており、農業者の借入負担を軽減している。

 こうした取組みを背景に融資額も年々増加し、2020年度の新規実行額(長期)は75億57百万円とこの5年間で2倍以上になるといった成果が出ている。農林中金福島支店では、JA農機センターや農機メーカーと連携した農機具購入資金への対応が過半を占めるが、新型コロナウイルスで経営に影響を受けた農業者への営農継続に必要な資金や補助事業を活用した際の不足分への資金対応なども実績を押し上げた要因と分析する。

 JAバンク福島では、2021年度までの中期戦略で貸出の強化を重点施策に掲げる。引き続き農業者との対話を通じた適切な資金対応を行うほか、農業融資に関係する人材の育成や体制整備などにも取り組む方針。同支店の担当者は「この取組みを緩めることなく、農業者のニーズにしっかり向き合うことで、農業融資のさらなる伸長につなげていきたい」と意欲的に語る。

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