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集荷場を整備、列車で農産物を輸送、ECサイトでも販売=JR東日本

2021年3月23日

 東日本旅客鉄道㈱(JR東日本)はこのほど、農産物の集荷場「JRE農業ステーション」を整備すると発表した。

 JR東日本では昨年10月、農家の直売所事業・農産物流通販売事業などを手掛ける㈱農業総合研究所(和歌山市)との間で、農業の活性化に向けた業務提携を締結。同研究所の有する生産者との接点・物流ネットワークと、JR東日本の鉄道ネットワーク等を活用し、流通の効率性向上と生産者の収益力向上に繋げるべく、「農作物の集荷場の整備を通じた生産者にとって利便性の高い出荷環境の提供」や「鮮度の高い農作物を販売できる農産物流通プラットフォームの高度化」を図ることとしており、今回の取組みはその第一弾。

 「JRE農業ステーション」は、内房線江見駅、水郡線上菅谷駅、中央線辰野駅の千葉・茨城・長野エリア3か所に設置する。地域の生産者が同ステーションに出荷できるよう利便性を高めるとともに、スタッフの雇用を通じて、地域コミュニティの拠点となる施設を目指す。さらに、同ステーション等で集荷した農産物を列車で輸送、都市圏の駅構内に展開する商業スペース「エキナカ」で販売する実証実験を行う。生産地の近隣でしか流通しない農産物を輸送して販売する朝採れ野菜を夕方に販売するなど、〝鮮度が高く魅力ある農産物〟を提供する。

 また、今月3日には、JR東日本グループが運営するECサイト「JRE MALL」内に、農産物販売ショップ『農家の直売所JRE MALL店』を開設(ショップ運営者=農業総合研究所)、農産物の販売を開始した。サイト内のショップでは注文された商品を、収穫から最短で翌日に利用者に提供する。また、規格外野菜の販売や販路拡大を通じて、フードロスの削減や生産者の収益性向上を図るとしており、将来的には駅での受け取りサービスなどを通じ、利用者の利便性を高めていく方針。

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