三井物産㈱(安永竜夫社長)は、トマト種子の開発・生産・販売を行っているオランダのTotam Seeds B.V.(Totam社、2010年設立)に75%出資することで合意、25日、株式譲渡契約書等に調印した。
三井物産によれば、Totam社は急成長を続ける環境制御型ハウス(AGH)で栽培するトマトの種子開発で実績をあげている。AGH栽培は、気候に左右されない栽培環境下で通年での安定供給が可能で、農業に関する世界的課題である労働力(作業従事者)を最小限にできるため、年率約8%で成長しているという。また、同案件のパートナーとなるProminent U.A.(Prominent)は、AGH技術の先進国であるオランダでの最大規模のトマト生産者団体で、Totam社への出資は25%。
三井物産では「今回の出資を通じて、Prominentのトマトの生産、最新の消費者トレンドに関する知見と、当社の種子関連事業会社の技術開発力をTotam社のトマト品種改良に生かし、より競争力のある品種開発が可能となる。世界中のAGH農家にTotam社が開発するトマト種子を供給するだけでなく、ProminentがAGH分野で培った灌漑、ハウス設備、センサーなどの知見に基づく総合的な技術支援を行っていく計画」としている。
*環境制御型グリーンハウス栽培…光環境、湿度、温度、二酸化炭素濃度などの環境をシステムを用いて人為的に制御したハウス下での栽培方法のこと。