山形大学東北創生研究所の村松真准教授が2016年から山形県内で栽培試験を行ってきた落花生の栽培が、産地づくりに向け本格的に展開する段階に入ってきた。
同研究所は、2016年から産学官連携活動で山形県を落花生の産地にするプロジェクトへの取組みを開始、2019年は、山形県全体では作付面積が1・8ha、5・4tの収穫があったが、県の秋の気候は湿度が高く、収穫後の乾燥の段階でカビが生え、落花生が黒く変色するなどの問題を抱えていた。これを、流体力学の研究成果を活用した、常温で一様に乾燥できる山形大学の技術を適用し解決できることがわかった。常温のため種子用にも応用でき、2020年は作付面積が3・4haに増える見込みであり、より良質な落花生の収穫を目指す。
文科省COIプロジェクトの快食健康部門で落花生を使用したジェラートの試作を行ったところ、「非常に好評」であったことから、昨年に収穫された落花生を使って、今年から大学発ベンチャー企業㈱ベジアで、山形県産落花生を使用したジェラートの製造販売に向け準備を進めている。落花生は高付加価値で栽培コストが低いことが特徴であることから、地域農業の生産から製品化までの産業展開を行い、高齢化社会でも、豪雪・寒冷地でも持続可能な農業の展開を実現し地域活性化に取り組むとしている。