日本文化厚生農業協同組合連合会(文化連)は一八日、都内で創立七〇周年を記念した祝賀会を開き、約二五〇人が出席した。文化連は、厚生連と単協などの直接加入により構成、医薬品や医療資材・機器、食品、保健福祉資材の斡旋・供給を行っている。
神尾透会長(山口県厚生連会長)は開会挨拶で平成三〇年七月豪雨、大阪府北部を震源とする地震、平成三〇年北海道胆振東部地震の被災者に対しお悔やみとお見舞いの言葉を述べた後、同組織七〇年の歴史を振り返り「先人の労苦の積み重ねこそ、何物にも代えがたい財産であり長く守っていかなくてはならない」「一人ひとりの農民を大切に現場主義を貫く業務推進の姿勢が、長く積み重ねる中で出来上がってきた文化連の文化であり組織の風土だ」と強調。さらにJAグループの厚生事業等を取り巻く厳しい環境を指摘した上で「移り変わる時代の中で会員が求めるニーズに目を向け、声を聞き、課題を共有してこの難題にあたらなければならない。皆さん方の協力を得ながら、共に未来を切り拓いていく」と決意を述べた。
来賓挨拶では、JA全中の中家徹会長の祝辞を肱岡弘典常務が代読したほか、JA全厚連の雨宮勇会長、鹿児島県厚生連の山野徹会長、JA茨城みなみの齊藤繁組合長、日本農村医学会の新谷周三理事長が登壇し祝意を述べた。
祝賀会では五〇年勤続し理事長・副会長をつとめた武藤喜久雄氏が特別功労者として表彰された。また、文化連内の「厚生連病院と単協をつなぐ医療・福祉研究会」において長年にわたりコーディネータとして関わる、元日本福祉大教授の石川満氏と金城学院大教授の朝倉美江氏、「厚生連病院治験ネットワーク」で治験事業の推進に尽力する神奈川県厚生連相模原協同病院長の高野靖悟氏に感謝状が贈られた。
祝賀会に先立ち記念講演会が開催され、(公財)賀川事業団雲柱社賀川豊彦記念松沢資料館副館長の杉浦秀典氏が「協同組合医療運動の歴史に学び、課題を展望する~国連・持続可能な開発目標(SDGs)にも触れて」と題し、「協同組合運動の父」といわれる賀川豊彦の協同組合論や先駆的活動などを紹介した。