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二九年度事業報告等四議案を承認=JA全厚連通常総会

2018年8月1日

「医療団体と連携し消費税負担解消へ」と雨宮会長

 JA全厚連は七月三一日、東京・大手町のKKRホテル東京で通常総会を開き、平成二九年度事業報告・決算、剰余金処分案、経営管理委員の補欠選任など四議案を承認した。黒本一郎経営管理委員の辞任に伴う補欠選任では、福田利男氏(上都賀厚生農業協同組合連合会代表理事会長)を新たに経営管理委員に選任した。また、総会に先立ち、大阪府北部地震と平成三〇年七月豪雨における犠牲者に対し黙祷が捧げられた。
 雨宮勇経営管理委員会会長は、大阪府北部地震と平成三〇年七月豪雨の被災者に対するお見舞いとお悔やみの言葉を述べた後、重要な経営課題として、「消費税の負担解消については、平成三〇年度与党税制改正大綱において、三一年度税制改正に際し、税制上の抜本的な解決に向け、総合的に検討し、結論を得るとされている。税制上の解決を目指すことが明記された。引き続き医療団体と連携を図りながら、消費税負担の解消に向けて取り組んでいきたい」「医師確保については、昨年度から全国自治体病院協議会をはじめ関係する四団体と『地域医療を守る病院協議会』を立ち上げ、医師確保の要請活動を続けているところだ。先の国会で働き方改革関連法案が可決をされたが、医師が不足している医療機関においては、拙速な働き方改革をすすめるのではなく、地域医療と医師の健康を両立できる対応について十分な検討が行われるよう、関係各所に働きかけたい」と訴えた。また、宮下一郎衆議院議員(農民の健康を創る会事務局長)、JA全中の中家徹会長が来賓祝辞を述べた。
 承認された事業報告によれば、経常利益は一八二七万円、当期剰余金は一七四一万円、当期未処分剰余金は八三三五万円となり、剰余金処分額として任意積立金に一〇〇万円を積み立て、八二三五万円を次期に繰り越した。会員厚生連の経営状況については、〈医療事業厚生連〉では入院・外来単価の増加や減価償却費の減少等により、当期利益は前年度と比較して約三一億円増加し約七七億円、〈健康管理厚生連〉では医療機器更新による減価償却費の負担等により、当期利益は前年度と比べ約二億円減少し、約二億円となった。
 また総会では、①政府は、医療機関が消費税を負担している現状や税の公平性に反していることを認識し、医療機関の消費税負担を早急かつ根本的に解決すること、②今般成立した「医療法および医師法の一部を改正する法律」における、医師少数区域等で勤務した医師を評価する制度の創設、等を着実に実行し、偏在が解消しない場合には、開業制限等も含めた抜本的な対応を検討すること、など六項目の実現を期す特別決議を承認した。
 事業報告を中村純誠代表理事理事長が行った。▼二八年度に実施した精神科病院を除く全ての厚生連病院の内部・外部環境の分析結果を、厚生連病院における「公的医療機関等二〇二五プラン」策定等の参考となるよう、各厚生連へ提供するなど、「地域医療構想」への対応支援、▼経営悪化が懸念される厚生連に対し早期支援を行うため、経常損益ベースの償却前利益率が低下傾向で推移している厚生連と情報共有を行うなど、厚生連の経営健全化を支援、▼三〇年度診療報酬・介護報酬改定に向け、厚生連からの改定要望をとりまとめ、全国公私病院連盟、全中、地域医療を守る病院協議会、農民の健康を創る会を通じて厚労省に対して要請した結果、二四項目中七項目の実現など事業実施条件の整備、を行ったことなどの報告がなされた。

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