地域医療を守る病院協議会(全国自治体病院協議会、JA全厚連など五団体で構成)は一日に記者会見を開き、同協議会として厚生労働省医師の働き方改革に関する検討会(一月一五日開催)で示された「中間的な論点整理」及び「緊急的な取組(骨子案)」への対案を示すことを明らかにした。厚労省検討会の「緊急的な取組(骨子案)」は医師の労働時間短縮に向けて、勤務医を雇用する全ての医療機関に対し、①医師の労働時間管理の適正化、②36協定の自己点検、③既存の産業保健の仕組みの活用、④タスク・シフティング(業務移管)の推進、⑤女性医師等に対する支援、を求めた内容。
同協議会議長の邉見公雄全国自治体病院協議会(全自病)会長は「地域偏在をなくす前に、働き方改革を先に行うと〝アベコベミクス〟になってしまう。我々としての対応、対案を出したい」と述べた上で、三月に開催が予定されている次回会議で対案の方向性を決定する意向を示した。
JA全厚連の雨宮勇会長は「医師の偏在対策をどう克服していくか、働き方の問題も含めて政策的な枠組みがきちんとできないと地方医療は守れない。これから地域の病院をきちんと守っていく責任が我々にはある」と語った。
地域医療を守る病院協議会…医師の地域偏在など地方の病院が抱える課題など現場の声を国に届けるため昨年九月発足。全自病、JA全厚連、全国国民健康保険診療施設協議会、日本慢性期医療協会、地域包括ケア病棟協会で組織されている。