日本文化厚生連(文化連)は通常総会(7月29日開催)に先立ち8日、東京・新宿農協会館で会員厚生連・単協合同常勤役員・参事会議を開催した。
東公敏理事長は「令和2年度業務報告書案及び第73回通常総会議案」「新型コロナ対策の取組み」「第29回JA全国大会組織協議」について説明した。
同会議では、特別セッションとして「コロナ対応と今後の課題」をテーマに、JA茨城県厚生連・酒井義法理事長(茨城県厚生連、かく闘えり~患者対応経過と医療経営の展望)、JA兵庫南・野村隆幸専務(コロナ禍を乗り越える農協福祉事業と協同活動)が医療と福祉の分野から報告を行った。
JA茨城県厚生連の酒井理事長は、コロナ対応について、土浦協同病院での対応を中心に、JA茨城県厚生連内の連携について取組を紹介した。このうち、同病院と共に地域医療を担った国立霞ヶ浦病院について、積極的な患者の受け入れや検査の対応などの今回果たした役割を強調しながら、「厚労省が再編要請した公立・公的病院のひとつ。再編されていたら、地域のコロナ診療は逼迫していた可能性が高い」として「時には二次医療圏を超えた連携が必要」「医療ニーズが変化した可能性が高く、地域医療構想を軸にした病院機能の再編と医療提供体制の見直しが必要」との認識を示した。
JA兵庫南の野村専務は、デイサービスや特定施設入居者生活介護での対応を紹介した。また、植物を育てることで身体、精神、知能、社会的に良い効果をもたらすとされる「園芸療法」、地域との協働として農福連携となる援農ボランティアの取組を説明。JA版地域包括ケアシステムとして、家族介護者のケアやケアファーム(デイサービス農園)の重要性を強調した。
文化連の八木岡努会長は、「現場は現在、ワクチン接種の作業や手伝いをしており、コロナの影響はこれから先も受けるのではないか。我々も皆様への出来るだけの協力を考えている。JA全厚連と連携をしながら、国からの支援等々については、様々な形で要請を行っていきたい」「この大変な経営の中で、国消国産という形で食料や医療を賄わねばならない大切さが見えてきた。協同組合のモットーである協同と相互扶助の精神が改めて、皆さんに大切だと理解されたと思っている」と語った。